コンチネンタル―会社分割も、筆頭株主シェフラーがカギ―

自動車部品大手の独コンチネンタルが会社分割を検討しているもようだ。経済誌『マネージャー・マガチン』が報じたもので、実行されれば2018年に始まった組織再編は一気に加速することになる。同社は報道内容へのコメントを控えている。

同誌によると、コンチネンタルは自社を電子機器、自動運転ソリューション、タイヤ、コンチテック(ホースやベルト製造)の4つに分社化することを検討している。分社化すればこれら各部門の市場評価額がコンチネンタルのもとにある現在の2倍以上に上昇するとみられるためだ。様々な分野の事業を展開する複合企業に対する市場の評価は低く、コンチネンタルの時価総額は低迷している。

ヴォルフガング・ライツレ監査役会長(工業ガス大手リンデの元会長)が分割計画の推進者という。4部門の新規株式公開(IPO)のほか売却も視野に入れている。

ただ、コンチネンタル株46%を保有する筆頭株主のシェフラー(軸受大手)が同意していないことから、現時点で実現の目途は立っていない。4部門をコンチネンタルの傘下にとどめ部門間の協業体制を維持するというのがこれまでの立場だ。

消息筋は「カギを握るのはヘアツォーゲンアウラハ(シェフラーの本社所在地)だ」と明言した。ライツレ監査役会長が任期終了の24年までにシェフラーを説得できるかどうかが焦点になるという。

コンチネンタルは市場の批判を受けて18年に組織再編を開始。パワートレイン事業は新会社ヴィテスコへと分離され、昨年秋にIPOが行われた。コンチネンタルは今年1月1日付で新たな組織再編を実施したばかりだが、改革を一段と進め大所帯の組織の解体に突き進む可能性が出てきた。

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