●イノベーションハブのDEX、米ビザと協力して実施
●参加企業が開発した新事業はズベルの製品やサービスに反映
ロシアの国営テクノロジー・金融大手ズベル(旧ズベルバンク)はこのほど、チェコでフィンテック企業育成を目的とするアクセラレータプログラムを開始した。現地法人のズベルバンクCZによると、プログラムの対象となるのは人工知能(AI)、ブロックチェーン、後払い決済(BNPL)などに関心を持つスタートアップ。参加企業は今年末までにフィンテックに関わる新事業を開発し、最終的にはズベルの製品やサービスに反映させていく予定だ。
同プログラムはズベルがチェコの民間イノベーションハブであるDEXイノベーションセンター、および米クレジットカード大手ビザ(VISA)と協力して実施する。今年4月までに参加スタートアップ企業の選定を行う予定で、参加者はプログラムの協力企業のメンターの助言を受けながら新規事業の開発を行い、最終的には今年12月に開催される「デモ・デイ」で事業内容を発表する。
ズベルは1993年にチェコに進出した。ズベルバンクCZの株式の過半数はウィーンに拠点を置くズベルバンク・ヨーロッパが保有している。
DEXイノベーションセンターはプラハとリベレツに拠点を置き、運輸、エネルギー、健康医療、情報通信といった分野のスタートアップの資金調達に協力している。欧州連合(EU)も支援する「μ(ミュー)Fablab」と呼ばれる」同社のインキュベーションプログラムでは、3Dプリント、IoT(モノのインターネット)、ロボットなどの関連事業を志す中小企業や学生を対象に教育プログラムを提供している。