宇宙でヒヨコマメは育つか、イスラエルのプロジェクトがスタート

●資源を最大限に活用した栽培法を見つける狙い

●人類が直面する問題に取り組むヒントを得られるか

国際宇宙ステーション(ISS)でヒヨコマメの栽培実験が行われる。「スペースフムス」と呼ばれるプロジェクトの一環で、補給船で21日、器材が届けられた。宇宙空間で育てることで、資源を最大限に活用した栽培法を見つける狙いだ。

実験を思いついたのは、2019年に無人月探査機を打ち上げたスペースILの生みの親、ヨナタン・ヴァイントラウブ氏だ。イスラエル及びスタンフォード大学の科学者や、火星での生活のシミュレーション訓練地であるDマース(イスラエル)、食品メーカーのシュトラウス、アグリテック企業のハイファグループの協力を得て準備を進めてきた。

ヒヨコマメは、タヒーナやフムスなどの材料となるイスラエルの主食だが、タンパク質、炭水化物、ビタミンが豊富で、腹持ちのいい「スーパーフード」と言われる。加えて、播種から収穫までのサイクルが短く、栽培温度を選ばないという特長がある。

しかし、宇宙での栽培条件はこれまで試した人がいないほど極端だ。特製のミニ温室で実験するが、育つかどうかはわからない。

ヴァイントラウブ氏は「単にどうやってたくさん育てるかというだけでなく、その発育をどう管理するかが課題だ。限られた材料を最大限活用できる方法が分かれば、地球で暮らす我々が今後直面する問題にどう取り組んでいくかヒントが得られるかもしれない」と話す。

実験はまず、ISS滞在中のイスラエル人飛行士、エイタン・スティッベ氏が担当する。

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