独露貿易がコロナ禍前超えも重要性低下

ドイツ連邦統計局は2月24日、同国とロシアの貿易高が昨年は598億ユーロとなり、前年を34.1%上回ったと発表した。コロナ禍1年目の前年に落ち込んだ輸出と輸入がともに好転。貿易高はコロナ禍前の2019年比でも3.4%増えた。輸入高が大幅に拡大したことが大きい。

輸入高は54.2%増えて331億ユーロとなった。ロシアからの主要な輸入品である原油と天然ガスの価格がコロナ禍の急落から回復・高騰したことが背景にある。輸出高は15.4%増の266億ユーロにとどまっており、ドイツは対露貿易で2年ぶりに赤字を計上した。対露貿易は例年、赤字を計上しているが、20年は原油・天然ガス価格の急落で例外的に黒字となっていた。

21年の輸入額が最も大きかった品目は原油・天然ガスで194億ユーロ(49.5%)に上った。ロシアからの輸入全体の59%を占める。2位は金属(72.1%増の45億ユーロ)、3位は石油・コークス製品(23.0%増の28億ユーロ)、4位は石炭(153.0%増の22億ユーロ)となっており、輸入品の上位はすべて資源ないし資源系が占めている。

ロシアへの輸出で額が最も大きい品目は機械で、58億ユーロ(5.7%増)に上った。これに自動車・自動車部品(31.8%増の44億ユーロ)、化学品(19.7%増の30億ユーロ)が続く。

ロシアはドイツの貿易額に占める割合が2.3%で、15位に付けた。欧州連合(EU)加盟国を除くと輸入先で4位、輸出先で5位となっている。ただ、独貿易額に占めるロシアの割合は低下傾向にあり、過去最高となった13年には4.1%に上っていた。国際法に違反する2014年のクリミア併合を受けEUがロシアに制裁を課したことが効いている。

ドイツで事業を展開するロシア系企業は19年時点で164社に上った。その売上高は計316億ユーロで、外資系企業の独売上全体の1.9%にとどまった。1位の米国系企業は17.9%に達している。

ロシアで事業を展開するドイツ系企業は19年時点で472社あった。その売上高は381億ユーロで、ドイツ企業の国外売上全体の1.5%に過ぎなかった。ドイツ系企業の国外売上高では米国が最も多く、全体の21.1%(5,454億ユーロ)を占める。

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