三菱重工、トルコに自立給電システムのデモプラントを設置

●利用状況の実演を通じて拡販につなげたい意向

●同システムは再可エネとレシプロエネ、蓄電池を組み合わせる

三菱重工(MHI)は22日、トルコのチャルック・ホールディングと共同でトリプルハイブリッド方式の自立給電システム「イブロックス(EBLOX)」のデモプラントを建設したと発表した。2019年に結んだ提携に基づくもので、利用状況の実演を通じてトルコ国内や周辺国、アフリカでの同システム拡販につなげたい考えだ。

直接提携しているのは三菱重工エンジン・アンド・ターボチャージャー(MHIET)と、チャルック傘下の総合エネルギー・インフラ事業会社チャルックエナジーだ。イブロックスは、太陽光などによる再生可能エネルギー発電とレシプロエンジン発電および蓄電池を組み合わせて運用することで、再可エネの出力変動へ対応しながら電力を安定供給できる。

デモプラントを構成するのは、発電能力120キロワット(kW)の太陽光発電と、出力150kW、容量150キロワット時(kWh)の蓄電池、発電能力34kWのエンジン発電機2セットと300kWの模擬負荷装置で、これらをマイクログリッドコントローラー「コーディ(COORDY)」で制御する。◇電力系統から離れた場所にあるマイクログリッドへの安定供給◇燃料コストの低減◇脱炭素化の状況――を実演し、潜在顧客にその有効性を示して受注につなげることを狙う。

MHIETは、電力会社の送配電網が行き届かないため簡便な自立型電源を求める地域が多数あることや、地震・風災害などの災害対策としても自立可能な分散型電源の需要が存在することに着目してイブロックスを開発した。電力供給網の整備が遅れているアフリカ地域に強く、太陽光発電設備の普及提案に力を注ぐチャルックとの提携で、イブロックスの拡販を目指す。

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