ロシアのウクライナ侵攻が続く中、ポーランドのモラヴィエツキ首相は3月30日、年内にロシア産原油の輸入を停止する計画であることを明らかにした。ポーランドはこれまでEUに対ロシア経済制裁を強化するよう訴えており、他の加盟国にも同調するよう求めた。
ポーランドのロシア産原油の輸入量は2019年に1日当たり約36万5,000バレルに上り、輸入量全体の7割を占めた。ブルームバーグ通信によると、国営石油精製最大手のPKNオルレンは早期に他の産油国に発注先を切り替えたため、ロシアからの輸入なしでも安定供給が可能という。ロスネフチとの調達契約は年内に満了する。また、今年1月の国内競合ロトスの買収でサウジアラムコが石油事業の共同出資者となり、安定的な調達先を確保したことも強みだ。
モラヴィエツキ首相によると、ロシアからの石炭輸入も5月末までに停止し、年内に満了する天然ガスの長期供給契約は延長しない計画だ。ドイツもロシア産の石油・石炭の輸入を今年中に停止する考えだが、ロシア依存度が非常に高い天然ガスについては供給停止となった場合に備え、緊急事態計画の早期警戒レベルを発した。現時点で国内の供給に支障はないが、消費量と備蓄量を厳しく注視している。