ドイツのカール・ラウターバッハ保健相は6日、新型コロナウイルス感染者の隔離義務を廃止するとした4日の発言を正式撤回した。同発言に対する市民の反応や専門家の批判を受け、朝令暮改を余儀なくされた。
ラウターバッハ氏と国内16州の保健相は4日、新型コロナ感染者と濃厚接触者の隔離について期間を従来の7日から5日に短縮するとともに、隔離の「義務」を「勧告」へと改めることで合意。5月1日から保健当局の隔離命令と監視を止め、隔離するかどうかを当事者が自ら決定することにした。
会議後の記者会見でこの合意を発表すると、大きな批判が起きた。同氏は市民の反応などをみて、保健相合意は誤りだったと判断。5日夜のトーク番組で、感染者の隔離義務廃止を撤回する意向を表明した。
ラウターバッハ氏は6日の記者会見で、隔離義務の廃止は保健当局の負担軽減を狙ったものだったと述べたうえで、パンデミックが終息し、コロナはインフルエンザともはや変わらないという誤った印象を与えてしまったと言明。「その責任は私自身にもある」と謝罪した。感染者はこれまで同様、5月以降も隔離を義務付けられる。期間は5日。
濃厚接触者については保健相合意通り、5月1日付で隔離義務を廃止する。