ルーマニア中央銀行は5日、政策金利を0.5ポイント引き上げ、3%に設定した。ウ
クライナ戦争が原因でインフレが予想以上に加速すると判断した。すでに2月のイ
ンフレ率は過去14年来で最高の8.5%を記録している。貸出金利と預金金利も0.5ポ
イントずつ引き上げられ、それぞれ4%、2%となった。
中銀はエネルギー価格の上昇を受け、2月の時点で4-6月期(第2四半期)のインフ
レ率を2ケタ台、年末は9.6%と予測していた。国民負担の緩和に向けて公益料金据
え置き措置が延長されたが、ウクライナ戦争および関連措置を顧慮すると短期的な
インフレ急進は避けられないもようだ。
通貨レウの為替相場は、ロシアのウクライナ侵攻以来、安くなっているものの、他
の東欧諸国通貨に比べると動きは穏やかだ。流動性管理がこれを支えているとい
う。
英調査会社のキャピタルエコノミクスは、「世界的な金利の上昇とルーマニアの経
常赤字を背景に、レウへの圧力が高まる」とした上で、中銀が「レウ安が緩やかに
進行することを容認する」と予測する。また、年内に政策金利は5%を超えるとみ
る。ロイター通信が集計したアナリスト予想(中央値)はこれより低く、4%と
なっている。