独エネルギー大手MVVは5日、リチウム生産を手がける豪バルカン・エナジー・リソーシズの独子会社ヴルカン・エネルギー・レソーセンから地域熱の供給を受けることで合意したと発表した。MVVは2040年までに炭素中立を達成し、その後は二酸化炭素(CO2)の排出量が吸収量を下回る「クライメート・ポジティブ」に転じることを計画。その実現に向けてCO2無排出の地域熱供給をヴルカンから受ける。
ヴルカンはマンハイム近郊に地熱を利用した地域熱プラントを設置し、同プラントから地域熱をMVVに供給する。供給量は年240~350ギガワット時(GWh)。約2万5,000~3万5,000世帯が供給を受けることになる。
ヴルカンは地下水から電池材料の水酸化リチウムを取り出し、販売することを計画している。すでに自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)やルノー、ステランティスは同社から水酸化リチウムを調達することで合意している。
リチウムを含む地下水は温水であることから、ヴルカンは地域熱としてエネルギー事業者に販売することも事業の柱としている。