ギリシャ、IMF融資を前倒しで完済

ギリシャ政府は4日、債務危機に際して国際通貨基金(IMF)から受けた融資を完済したと発表した。利払いのコストを減らすため、予定より2年前倒しで返済を終えた。

2010年に深刻な債務危機に陥ったギリシャは、2010年から18年にかけてユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)と国際通貨基金(IMF)から総額約2,600億ユーロの金融支援を取り付け、危機を何とか克服。18年8月に支援を脱却した。その後は国債発行で資金を調達し、独自に財政再建を進めることができるようになっている。

IMFの融資は総額280億ユーロ。ギリシャは同融資の年利が国債の利回りを大きく上回っていることから、19年から繰り上げ返済を開始した。今回は18億6,000万ユーロを返済し、融資を完済した。財務省によると、前倒し返済による利払いコスト節減額は2億3,000万ユーロに上る。

ギリシャはIMFとESMへの返済を同時並行で進めることになっているが、ESMは事情を理解し、先ごろIMFを優先した返済を承認していた。

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