スイスのルクランシェ、世界最大級のHVフェリーに蓄電システムを供給

スイスの電池メーカー、ルクランシェは5日、独フェリー大手スカンドラインズの電動ハイブリッド(HV)フェリー「PR24」に容量10メガワット時(MWh)の液冷式バッテリー蓄電システム(BESS)を供給すると発表した。同船はHVフェリーとして世界最大級となる。

同BESSはモジュール式で拡張が可能。gNMC(高エネルギー密度グラファイト・ニッケルマンガンコバルト)リチウムイオンセルを連結した48基のバッテリー・ストリングを8つの分電盤に分散接続することで冗長性を確保している。最大電圧は684ボルトで、耐用年数は10年。バッテリーセルはルクランシェのドイツ工場から調達し、スイス国内の工場でシステムとして組み立てる。

「PR24」は全長147.4メートル、全幅25.4メートルで、速力は10ノット。2024年に就航し、独北部のフェーマルン島とデンマークのロラン島を結ぶ18.5キロメートルを運行する。横断時間は最短45分、電気駆動のみでは70分となる。フェリーの設計はノルウェーのLMGマリンAS、トルコのジェムレ造船所が建造する。ルクランシェは23年1月からBESSの納入を開始する。

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