化学大手の独BASFは22日、スウェーデンのエネルギー大手バッテンフォールと共同でオランダの洋上風力発電パーク入札に共同応札すると発表した。自社工場用の再生可能エネルギー電力を確保する狙い。バッテンフォールとはオランダの別の洋上風力発電プロジェクトで協業しており、協力関係を拡大することになる。
蘭政府は同国西海岸の沖合およそ53キロの海域に洋上風力発電パーク「ホランセ・クスト・ウェスト(HKW)」を設置するため入札を行う。パークは「サイトⅥ」と「サイトⅦ」の2海域で構成。発電容量はそれぞれ700メガワット(MW)となっている。
両社はサイトⅥに共同応札する。同サイトの応札者にはプロジェクトがエコシステムにもたらす影響を最低限に抑制するコンセプトの提示が義務付けられる。サイトⅦにはバッテンフォールは単独で応札する。応札期限は5月12日で、落札者は今夏以降に決定される見通し。HKWの発電開始は2026年を予定している。
両社は「ホランセ・クスト・ザイト(HKZ)」という名の洋上風力発電パークもオランダに共同建設する計画。HKZは23年のフル稼働開始を予定している。HKWとは距離的に近く、シナジー効果が見込めるという。
BASFは再生エネの利用拡大などを通し温室効果ガスを30年までに18年比で25%削減する目標を掲げている。製品1単位当たりの排出量は50%低下する計算だ。50年の炭素中立実現を目指している。