ロシア中央銀行は4月29日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金
利を17%から3ポイント引き下げ、14%とすることを決めた。利下げは2会合連続。
市場は2ポイントの下げ幅を予想していた。
中銀は4月8日の緊急理事会で3ポイントの利下げを実施したばかり。インフレ期待
が低下する中、対ロ制裁により低迷する経済の下支えを図る。5月4日から新金利を
適用する。
同国の3月のインフレ率は前月を7.5ポイント上回る16.7%に急拡大した。これにつ
いて中銀は、物価の上昇は3月前半にピークを迎えた後、ルーブル高と消費の冷え
込みを背景に鈍化しており、4月に入ってからは家計や企業のインフレ期待も萎ん
でいると説明。年間インフレ率は今年18〜23%まで上昇するものの、来年は5〜7%
まで低下し、2024年に4%の目標値に戻るとの見通しを示した。
中銀は声明で、ルーブル相場の動向が今後のインフレ及びインフレ予想の度合いを
決める重要な要因となると指摘し、状況が基本予測に沿って進む場合には年内の追
加利下げを行う姿勢を示した。
ナビウリナ総裁は記者会見で、「現在の状況は不確実性が非常に高い」としつつ、
インフレが再び加速した場合は金融政策で対応できると明言。政策運営は同国経済
の構造転換と状況への適応を考慮するべきだとし、インフレ目標の達成を急ぐつも
りはないと述べた。