EU統計局ユーロスタットが4日に発表したユーロ圏の3月の小売業売上高(速報値・数量ベース)は前年同月比0.8%増となったが、上げ幅は前月の5.2%から大幅に縮小した。物価上昇、ロシアのウクライナ侵攻長期化で景気の先行き不透明感が強まる中、コロナ禍に伴う行動制限緩和で回復していた個人消費に陰りが出てきた。(表参照)
分野別では食品・飲料・たばこが2.5%減、非食品(自動車燃料を除く)が2.8%増。非食品では新型コロナウイルス感染拡大が深刻だった時期に「巣ごもり需要」で好調だった通信販売が13.2%減と落ち込んだ。
EU27カ国ベースの小売業売上高は1.7%増。主要国はフランスが1.8%増とプラスを維持したが、ドイツが2.7%減、スペインが4.8%減となった。
前月比ではユーロ圏が0.4%減、EUが0.2%減で、4カ月ぶりのマイナスとなった。