英中央銀行のイングランド銀行(BOE)は5日の金融政策委員会で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げ、年1.0%とすることを決めた。利上げは4会合連続。金利は2009年9月以来、約13年ぶりの高水準となった。
英国ではロシアのウクライナ侵攻の影響もあってエネルギー高が加速し、物価が急上昇している。3月のインフレ率は30年ぶり高水準の7.0%だった。BOEは昨年12月から3回にわたって0.12~0.25ポイントの利上げを実施したが、インフレ抑制のため追加の引き締めが必要と判断し、今回も利上げを決めた。9人の委員のうち3人は0.5ポイントの利上げを主張したが、残る6人が0.25ポイントンの利上げを支持した。
BOEは同日、物価見通しを上方修正。22年は8.0%がピークになるという予測を見直し、10~12月期には10%を超えるとの見通しを示した。一方、経済成長については、22年の国内総生産(GDP)は3.75%増になるという予測を据え置いたものの、10~12月期には減少に転落し、23年は0.25%のマイナス成長になると予想した。BOEは物価上昇だけでなく景気への目配りも求められ、難しい金融政策運営を迫られる。