化学大手エボニック、パフォーマンスマテリアルズ部門を清算

特殊化学大手の独エボニックは事業を再編する意向だ。クリスティアン・クルマン社長の発言としてロイター通信が報じたもので、将来性の高い事業を強化するほか、収益力の低いパフォーマンスマテリアルズ部門を清算する。ロシア事業は停止する。

2030年までの8年間で総額80億ユーロを投資する。そのうちの半分を既存拠点のメンテナンスと二酸化炭素(CO2)排出削減向けに投入。残り40億ユーロは内部成長に投資する。そのかなりの部分を、環境に優しいとともに売上高営業利益率(EBITDAベース)が20%超える製品に振り向ける意向だ。

高吸収性樹脂やナトリウムメチラートなどを手がけるパフォーマンスマテリアルズ部門は他の部門に比べ収益力が低く、21年の売上高営業利益率は断トツで最低の10.9%にとどまった。同社はこれを受け、スーパーアブゾーバーなどを手がけるベビーケア事業をすでに分離した。来年にも売却する意向だ。樹脂やゴム向けの添加剤を製造する「C4化学」分野の事業については合弁化を模索。場合によっては売却する。これらの措置により、雇用規模で計2,000人強の事業を手放すことになる。

エボニックはCO2排出量を25までに08年比で半減するという目標をすでにほぼ達成した。クルマン社長はこれを受け新たな目標を提示。30年までに21年比で25%減らす考えを表明した。

上部へスクロール