独自動車部品大手のボッシュは4日、水素電解装置のコンポーネント事業に参入すると発表した。水電解装置の中核コンポーネントであるスタックを開発し、2025年に量産を開始する計画。気候変動対策が強化される中、再生可能エネルギーから生成するグリーン水素の需要はさまざまな分野で急増している。ボッシュは2020年代末までに、水素電解装置のコンポーネント分野に最大5億ユーロを投資する計画。
水電解装置のスタックは、数百の個別セルを直列に接続した構造になっており、各セルで水を水素と酸素に電気分解する。ボッシュは、提携先と協力し、このスタックに制御ユニット、パワーエレクトロニクス、各種センサーを組み合わせた「スマートモジュール」を開発する。2023年にはパイロットプラントの稼働を開始する予定。2025年から電解プラントメーカーや産業サービス事業者などにスマートモジュールの供給を開始する計画。
このスマートモジュールはコンパクトな設計となっており、複数を組み合わせて10メガワット以下の小型装置からギガワットレベルの陸上/洋上プラントまで幅広い需要に対応することができる。また、モジュール構造のため、プラントの一部のみを停止して定期的なメンテナンス作業を行うこともできる。
ボッシュは当該コンポーネントをバンベルク、フォイヤバッハ(以上、ドイツ)、ティルブルフ(オランダ)、リンツ(オーストリア)、チェスケー・ブジェヨビツェ(チェコ)の欧州の複数の拠点で量産する予定。