ティッセンクルップ―日本精工とステアリングで合弁へ―

独複合企業ティッセンクルップは12日、日本精工(NSK)と合弁会社を設立することで基本合意したと発表した。ティッセンのオートモティブ事業と日本精工のステアリング事業を統合する。年内の最終契約調印を目指す。出資比率などの詳細は明らかにされていない。

両社のステアリング事業は製品タイプ、顧客、地域の補完性が高く、多くのシナジーが見込まれる。技術力を合わせることで顧客の技術ニーズに幅広く応えることができることも合弁化のメリットだ。ティッセンのマルティーナ・メルツ最高経営責任者(CEO)は「グローバル市場で成功していくためにはスケールエコノミクスが重要であり、NSKという高い技術力を持つ強力なパートナーと協働していくことで、更なる事業の強化とプレゼンス向上を目指していきます」と明言した。

ティッセンは車両の電動・自動運転化への対応を進めており、すでに自動車部品売上の80%をエンジン以外の分野で確保している。自動車技術部門のカルステン・クロースCEOは、ステアリングは最も重要な事業の1つだと指摘。「NSKとのパートナーシップをまずこの技術分野で検討することは自然なことです」と述べたうえで、両社の協業をステアリング以外の事業に拡大することもあり得るとの見解を示した。

上部へスクロール