ダイムラー・トラック(自動車)―売上・利益予測引き上げ―

商用車大手の独ダイムラー・トラックは17日の決算発表で2022年12月期の業績見通しを引き上げた。需要が旺盛で調達コストの上昇分を転嫁しやすい状況を踏まえたもので、売上高を従来予測の「455億~475億ユーロ」から「480億~500億ユーロ」へと上方修正。営業利益(EBIT、調整済み)も「前期比微減」から「前期並み」へと引き上げた。売上高営業利益率については従来の7~9%に据え置いた。ヨッヘン・ゲッツ取締役(財務担当)は、顧客の輸送業界はトラック調達価格の上昇分を川下に転嫁できると指摘。その費用は最終的に消費者が支払うことになるとの見方を示した。

22年1-3月期の売上高は106億ユーロとなり、前年同期を17%上回った。販売台数が8%増の10万9,000台に拡大したほか、値上げの効果で大幅な増収となった。営業利益は11%増の6億5,100万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の6.3%から5.9%に低下した。

同社はロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア事業を全面停止した。これに伴う評価損2億ユーロのうち1億7,000万ユーロを1-3月期に計上した。残り3,000万ユーロは4-6月期以降に計上する意向だ。ロシア事業停止に伴う販売減は他の市場で相殺できるとしている。

半導体不足については状況が改善してきたことを明らかにした。半導体メーカーは供給量を再び確約できるようになったとしている。同社は競合トレイトンなどと異なり、ウクライナからの部品供給減少の影響はほとんど受けていない。

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