ロシア中銀が3会合連続で利下げ、政策金利11%に

●物価の上昇ペースに鈍化の傾向

●中銀は今後の会合でさらなる利下げを行う可能性を示した

ロシア中央銀行は5月26日の緊急理事会で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を14%から3ポイント引き下げ、11%とすることを決めた。利下げは3会合連続。27日から新金利を適用する。物価の上昇ペースが鈍化し、インフレ圧力が下がる中、金融緩和を通じて経済の下支えを図る。

同国のインフレ率は4月に前月を1.1ポイント上回る17.8%に拡大したものの、中銀の5月20日時の推定では17.5%と予測を上回るペースで減速している。中銀は4月29日の前回会合で、年間インフレ率は今年18~23%まで上昇するとの見通しを示していた。来年は5~7%まで低下し、2024年に4%の目標値に戻ると予想する。 中銀は声明で、経済を取り巻く環境は依然厳しく、経済活動にはかなりの制約が伴うとする一方、金融安定性のリスクは幾らか下がっており、(2月下旬に導入した)資本規制措置の一部を緩和できるようになったとした。また、為替相場におけるルーブル高と、家計や企業のインフレ期待の明白な低下を受けてインフレ圧力が弱まっていると指摘し、今後の会合でさらなる利下げを行う可能性を示した。

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