英石油大手BPは15日、オーストラリアの大規模なグリーン水素生産プロジェクト「アジアン・リニューアブル・エナジー・ハブ(AREH)」に40.5%を出資することで合意したと発表した。再生可能エネルギー事業の拡大が狙い。取引額は公表していない。
西オーストラリア州のピルバラ地区で計画されているAREHは、出力最大26ギガワット(GW)の風力、太陽光発電施設を建設し、その電力を使って年160万トンの水素、同900万トンのアンモニアを生産するというもの。同発電施設の出力はオーストラリア全体の発電能力の3分の1に匹敵する。
2014年に浮上した同プロジェクトには、香港系の水素燃料企業インターコンチネンタル・エナジー(ICE)、オーストラリアの再生可能エネルギー会社CWPグローバル、投資銀行マッコーリー系の投資会社、デンマークの風力タービン大手ヴェスタスが出資していた。しかし、連邦政府が環境への影響を理由に21年に凍結したことから、ヴェスタスは出資を引き揚げた。
BPは再認可を見込み、同プロジェクトに出資し、事業の主体となる。2029年までの発電開始を見込んでいる。