欧州連合(EU)の欧州委員会は22日、域内の自然生態系の保全を強化する「自然再生法」の法案を発表した。化学農薬利用の半減を加盟国に義務付けるのが柱。欧州議会と加盟国の承認を経て実施される。
同法案は農地の生物多様性を向上させることなどを主眼としている。2030年までにEU内の土地の20%以上を自然の状態に戻すという目標を掲げた。
その柱となるのが化学農薬の利用制限。30年までにEU全体および各国レベルで利用を少なくとも50%減らすことを義務付ける。
EUの農業団体は、ロシアのウクライナ侵攻による食糧危機が懸念される現時点での新ルール導入は非現実的として批判しているが、欧州委は有機農薬などの技術の発達により、農業生産を減らさずに農薬利用を抑ええることは可能だとしている。