自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンは27日、西南ドイツのザールブリュッケンにある工場の長期存続に向け従業員代表と合意したと発表した。車両の電動化をにらんだ協定。近郊のザールルイにある米フォードの完成車工場は閉鎖される可能性が高まっているものの、ZFは同地で操業を継続する。
ザールブリュッケン工場ではトランスミッションを製造している。雇用規模は9,000人と大きい。
今回の合意では2025年末まで同工場で働く従業員の雇用を保障することが取り決められた。この期間中に26年以降の工場の枠組み条件を策定する。電気自動車(BEV)用のどの部品の生産が可能かなどを明確化する計画だ。
ザールブリュッケン工場では8速オートマチックトランスミッションが生産されている。主に大型ハイブリッド車(HV)に搭載される。HVは欧州で需要減が見込まれるものの、ZFは今後も同工場を同トランスミッションの主力工場にとどめることを明らかにした。HV市場が拡大する中国や米国向けに同工場からトランスミッションを輸出するもようだ。