ドイツでリチウム採掘・加工プロジェクトを進める豪バルカン・エナジー・リソーシズは24日、欧米自動車大手ステランティスから5,000万ユーロの出資を受けることで合意したと発表した。ステランティスはバルカン・エナジーからリチウムイオン電池セルの原料である水酸化リチウムを調達することをすでに取り決めている。資本参加することで採掘事業を支援し、水酸化リチウムを確実に確保できるようにする考えだ。調達期間を延長することも取り決めた。
バルカン・エナジーは西南ドイツのライン地溝帯で、二酸化炭素(CO2)を排出せずに水酸化リチウムを製造する「ゼロ・カーボン・リチウム」プロジェクトを進めている。ステランティスのほか、ルノー、フォルクスワーゲン(VW)など他の自動車メーカーにも供給することですでに合意。2024年の商業生産開始を目指している。
ステランティスには26年から30年までの5年間に計8万1,000~9万9,000トンを供給することを昨年11月に取り決めた。今回の合意では期間を5年延長し、35年までとすることにした。これに伴い供給量がどの程度、増えるかは明らかにしていない。ステランティスから調達する資金は採掘能力の拡大に投入する。