英GKNエアロスペースなど9社、水素技術のコンソーシアム設立

英エンジニアリング大手GKN傘下の航空宇宙関連会社GKNエアロスペースは6月21日、イングランド南西地域に水素関連のエコシステム構築を目指す企業連合「ハイドロゲン・サウスウエスト・コンソーシアム」を立ち上げたと発表した。異なるセクターに属する9つの企業が分野横断的に協力し、同地域における水素インフラの開発を推進するとともに、同地域を水素関連の主導的な研究開発拠点に発展させることを狙う。2030年までに10ギガワット(GW)規模の水素製造を目指す英国政府の目標への寄与が期待される。

同コンソーシアムはイングランド南西地域で水素の生産から利用、貯蔵、輸送までを行えるエコシステムを構築することで、産業全般における脱炭素化と持続可能な成長、地域の産業レベルの底上げ、雇用創出を目指していく。

コンソーシアム参加企業はGKNエアロスペースのほか、英航空大手のイージージェット、欧州航空機大手エアバス、仏電力公社(EDF)の水素生産子会社ハイナミクス、英エジニアリング企業コステインとコンサルティング大手ウッド、ブリストル港湾施設運営企業のブリストルポート・カンパニー、ブリストル空港、公益企業のウェールズ・アンド・ウェスト・ユーティリティーズ。これら9組織の参加により地域の供給と需要双方のセクターにつながりが生まれ、水素インフラの整備を推進する横断的な連携が可能になる。

現在計画されている試験事業には、◇船舶への水素やアンモニア燃料の供給、陸上車両への水素供給、水素製造を担う「ブリストル港の水素ハブ化」◇水素燃料航空機の商業運航を計画しているイージージェットのため、ブリストル空港での水素燃料の地上支援設備の研究開発「プロジェクト・エイコーン(Acorn)」――がある。

GKNエアロスペースはすでに航空機の水素駆動技術開発に取り組んでいる。

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