ドイツ連邦統計局が6月29日発表した同月の消費者物価指数(暫定値)は前年同月比7.6%増となり、これまでに引き続き大幅に上昇したものの、上げ幅は前月の7.9%からやや縮小した。インフレ率の低下は5カ月ぶり。物価高騰対策で自動車燃料税が引き下げられたり、近距離公共交通機関を月9ユーロで利用できる「9ユーロチケット」が導入されたことが反映された格好だ。ただ、これらの対策は8月末までの時限措置であることから、9月以降は上昇圧力が再び高まる可能性が高い。天然ガス価格の上昇が一段と加速するかどうかも重要なポイントとなる。
エネルギーの上昇率は38.0%となり、前月を0.3ポイント下回った。食料品は同12.7%で、前月の11.1%から拡大している。物価の構成比重が53%に上るサービスは9ユーロチケットなどの効果で2.9%から2.1%へと低下した。
前月比のインフレ率は0.1%だった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比8.2%となり、前月を0.5ポイント下回った。前月比は1.1%からマイナス0.1%へと大きく低下している。