製造業のサプライチェーンひっ迫は当面、続く見通しだ。Ifo経済研究所が独メーカーを対象とする6月のアンケート調査結果をもとに29日発表したところによると、「材料・部品不足が今後、どの程度の期間、続くと思いますか」との質問への回答は平均10.1カ月に上った。年内解消が予想される業界は1つもなく、不足予想期間の回答平均が最も短い金属製造・加工でも7.2カ月に上った。調査担当者は「サプライチェーンのひっ迫は多くの企業にとって残念ながら日常となっている」と述べた。
不足予想期間の回答平均が最も長かった業界は飲料で、13.1カ月に達した。これに繊維が11.7カ月、データ処理装置が11.6カ月、自動車と革・革製品・靴が各11.5カ月、印刷物が11.1カ月、電気設備が10.7カ月、金属製品と食品・飼料が各10.3カ月、機械が10.1カ月で続いた。化学は9.2カ月、ゴム・プラスティック製品は8.7カ月と、製造業全体の平均(10.1カ月)を下回っている。
材料・部品不足に現在、苦慮するメーカーの割合は74.1%となり、5月の77.2%からやや低下した。同割合が最も高い業界は電気設備で92.7%に上った。機械(90.6%)とデータ処理装置(90.3%)も90%を超えている。自動車は89.8%、金属製品は60.7%、ゴム・プラスティック製品は60.1%、化学は57.5%。最低は金属製造・加工で34.3%だった。