新車登録の低迷続く、6月は-18%

ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した6月の乗用車新車登録台数は前年同月比18.1%減の22万4,558台となり、下げ幅は前月(10.2%)を大きく上回った。減少は4カ月連続。半導体不足による生産低迷がこれまでに引き続き響いた格好だ。1~6月も前年同期比11.0%減の123万7,975台へと後退した。新型コロナウイルス感染流行前の2019年1~6月に比べると33%少ない。

6月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は3万2,234台となり、前年同月を3.5%下回った。プラグインハイブリッド車(PHV)は16.3%減の2万6,203台、PHVを含むハイブリッド車(HV)は14.6%減の6万5,363台へと後退。内燃機関車はガソリン車が23.2%、ディーゼル車が22.3%の幅で後退した。

シェアをみると、BEVは前年同月の12.2%から14.4%へと拡大。HVも27.9%から29.1%へと伸びた。PHVは0.3ポイント増の11.7%だった。ガソリン車は37.0%、ディーゼル車は18.9%となっている。BEVとPHVの合計のシェアは26.1%、BEVとHVは同43.5%となっている。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は117.8グラムで、前年同月から3.2%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。

部門別でみると、増加したのは大型バンと大型車だけで、伸び率はそれぞれ13.3%、9.5%だった。

主要3部門のシェアではトップのSUVが24.8%から29.8%へと拡大。コンパクトカーは17.5%から16.1%、小型車は14.8%から12.5%へと後退した。

主要ブランドの実績をみると、伸び率が最も大きかったのは電動車専門のポールスターで、前年同月比58.6%増の241台を記録。これにダチア(40.3%増の5,683台)、DS(32.9%増の230台)、アルファロメオ(18.7%増の412台)が続いた。

ドイツ車で前年同月を上回ったのはメルセデス(9.5%増の1万9,398)だけだった。そのほかはポルシェが3.5%減の2,533台、BMWが9.8%減の1万9,706台、フォードが10.3%減の1万551台、アウディが13.1%減の1万7,494台、オペルが17.7%減の1万3,609台、ミニが22.9%減の3,176台、VWが24.0%減の4万3,456台、スマートが67.0%減の597台となっている。

日本車は日産が7.6%減の2,258台、トヨタが8.2%減の6,894台、ホンダが10.7%減の662台、レクサスが14.2%減の235台、三菱が26.4%減の2,698台、スバルが38.7%減の301台、マツダが50.4%減の2,355台、スズキが67.4%減の1,223台。

日本車以外の主な輸入ブランドをみると、起亜は0.2%増の6,596台とわずかに拡大した。そのほかはランドローバーが0.7%減の1,077台、ジープが17.8%減の1,233台、シュコダが19.5%減の1万2,314台、現代が25.1%減の8,715台、セアトが26.1%減の1万813台、シトロエンが28.7%減の3,812台、フィアットが30.2%減の6,537台、ルノーが33.8%減の6,891台、プジョーが34.0%減の3,849台、テスラが34.9%減の2,908台、ボルボが40.5%減の2,188台、ジャガーが43.2%減の255台だった。

増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは6月の新車登録が927台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは同364台に上った。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した6月の国内乗用車生産台数は30万2,500台となり、前年同月を19%上回った。増加は2カ月連続。コロナ禍前の19年6月に比べると19%少ない。輸出台数は前年同月から22%増えて23万7,000台となった。1~6月の累計は生産台数が前年同期比3%減の168万5,800台、輸出台数が5%減の126万4,100台だった。

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