北欧航空大手のスカンジナビア航空(SAS)は5日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。コロナ禍で急激に落ち込んだ業績の回復を目指していたが、操縦士によるストライキで混迷が深まり、このままでは経営再建が困難と判断した。
同社は2020年に正社員の約半数を削減するなどリストラを進め、経営改善に取り組んできた。しかし、賃上げや解雇された操縦士の再雇用などを求める操縦士労組との交渉が4日に決裂し、ストライキに入ったことから、破産法申請に踏み切った。
SASはスウェーデン、デンマーク政府がそれぞれ21.8%を出資し、大株主となっている。同社は破産法の適用を受けながら債務の再編、営業存続に向けた資金の調達を図る。今後も運航を続ける方針だ。デンマーク政府は債権の一部の放棄、証券化と資本注入に同意しているという。