化学大手の独BASFが11日発表した2022年4-6月期暫定決算の純利益は20億9,000万ユーロとなり、前年同期を26%上回った。連結対象外の子会社である天然ガス・石油大手ヴィンタースハル・デーエーアーの業績が好調だったことから、配当収入が増加。利益が押し上げられた。
ヴィンタースハルは3月、ロシアのウクライナ進攻を受けてロシアの新規事業を凍結したものの、同国のガスプロムと共同で以前から採掘を行っているシベリアのガス田「ユジノルスコエ」と「アキモフ」については事業を継続している。天然ガス価格が高騰していることから、同社は現在、好業績を上げている。
BASFの4-6月期の売上高は前年同期比16%増の229億7,400万ユーロへと拡大した。販売量はやや減少したものの、値上げと為替差益の効果で大幅な増収となった。
営業利益(EBIT、特別項目を除く)は23億3,900万ユーロとなり、前期(23億5,500万ユーロ)とほぼ同水準を確保した。原材料とエネルギー価格の高騰分を顧客にほぼ転嫁できたとしている。