トルコ若年層がエルドアン離れ、政治世論調査で明らかに

●Z世代の80%が「与党を選ばない」と回答

●一方で「野党は信用できない」人も調査対象の43.2%に

2003年以来、トルコの政治の舵を取ってきたエルドアン大統領にとって、来年6月に予定される選挙は大きな正念場となりそうだ。特に、有権者数の11.8%を占める、2000年以降生まれの「Z世代」では「与党・公正発展党(AKP)を選ばない」という人は80%にも上る。経済的困難や、生活スタイルの制約、言論・メディアの統制などがその理由だ。ただ、野党に全幅の信頼を置いているわけでもなく、現状を変えるための決断という性格が強い。

現地世論調査機関のゲジジ・リサーチセンターが今月2、3日に1980~99年生まれの「Y世代」および「Z世代」の合計2,680人を対象として実施した調査によると、「最大の課題」として「経済」をあげた人が74%に上った。72%は「生活に困っている」と答えている。

政府の国家運営に問題があるとみる人も72%いる。1年以内の景気転換を予想する人は24%と、それ以降になると考える人の76%を大きく下回った。

「誰が経済問題を解決できるか」という問いでは、「野党」が44.6%で、AKPと民族主義者行動党(MHP)から成る「共和連合」をあげた人は40.2%だった。「明日が大統領選挙だったら誰に投票するか」ではCHPのケマル・クルチダロウル党首が53.2%で、エルドアン大統領の46.8%を確実に上回っている。

「政権運営は野党が行った方がうまくいく」と考える人は56.8%だが、一方で「野党は信用できない」人も43.2%いる。

リサーチセンタのムラート・ゲジジ代表は、「だれ/どの政党に投票するか決めていない人の割合は16%に減った。このうち92.7%が40歳未満だ。40歳未満では収入が月5,500リラ(315ユーロ)未満の人が68%を占める。また、性別では女性の方が多い。女性を暴力から守るイスタンブール条約離脱は大きなテーマの一つ」と解説する。

「Y世代」は有権者の32.6%、まだ投票先が決まっていない浮動票の70%を占めている。「この層の支持をどう集めるかが選挙の行方を大きく左右する」とゲジジ代表はみている。(1TRY=7.88JPY)

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