乗用車大手の独BMWは19日、組み立て中および完成後の車両が工場内を自動走行するプロジェクトを韓国、スイスのスタートアップ企業と共同実施すると発表した。構内物流を効率化する狙い。
「工場内自動走行(AFW)」という名のプロジェクトを独南東部のディンゴルフィング工場で今月から開始する。旗艦モデル「7シリーズ」の新型車と、電気自動車(BEV)「i7」を用いて行う。
車両は車載センサーでなく、走行ルートに沿って設置されたセンサーを利用して自動走行する。カギを握る技術は、車両の位置特定と障害物認識をサポートするセンサーインフラと、無線を通して走行を命じる運転計画ソフトウエアの2つ。
センサーインフラでは韓国企業ソウル・ロボティクスが開発したLiDAR(ライダー)検知ソフトが重要な役割を果たす。同ソフトは車両周辺の環境をデジタルツイン技術で仮想空間内に作成。対象物の分類と車両の位置決定も行う。
運転計画ソフトはスイス企業エンボテックが開発した。走行ルートをリアルタイムで決定し、加速、操舵、ブレーキ、駐車を命じる。
車両は完成後、工場内の駐車場まで自動走行することから、人が運転して運ぶ手間を省くことができる。BMWは同プロジェクトを数カ月実施。将来的に他の工場にも導入する意向だ。
ソウル・ロボティクス、エンボテックとはスタートアップ支援プログラム「BMWスタートアップ・ガレージ」を通して巡り合った。