化学大手の独バイヤスドルフがコスメティック部門の主力ブランド「ニベア」で製品の種類を削減する意向だ。年初に新設された同ブランド専門の取締役であるグリータ・レープザック氏が経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにしたもので、今後は収益力が高く画期的な製品に絞り込んでいる。
ニベアでは製品の種類を増やしすぎた結果、収益力が低迷。また、どの製品にどんな特長があるのかが消費者に分かりづらくなっている。
収益力の強化に向け今後はスキンケア製品に注力する。デオドラントなどに比べ市場規模が大きいうえ、利益率も高いためだ。特にフェイスケアに力を入れる。
高級品市場には参入しない。バイヤスドルフは高級ブランド「ラ・プレリー」をすでに持っていることから、競合を避ける。
若い消費者を獲得するため、オンライン販売も強化する。バイヤスドルフは昨年、オンライン販売売上を30%以上、増やしたものの、同社売上に占める割合は10%に届いていない。競合ロレアルが3倍の約30%に達していることを踏まえると、インターネットを活用する余地は大きい。
持続可能性にも注力する。包装材に投入する再生プラスティックの割合を現在の7%から高めていく意向だ。競合ヘンケルはすでに18%に上っている。
バイヤスドルフは今年上半期、調達・燃料コスト上昇分の3分の2を顧客に転嫁した。原料価格などの高騰が続いていることから、今後も値上げを行うとしている。