ドイツ連邦統計局が20日発表した6月の生産者物価指数は前年同月比32.7%増となり、上げ幅は前月を0.9ポイント下回った。上昇率自体はこれまでに引き続き極めて大きいものの、6カ月続いた記録更新にひとまず歯止めがかかった格好だ。
全体を最も強く押し上げたのはエネルギーで、上げ幅は86.1%(前月87.1%)に上った。ロシアへの依存度が高い天然ガスで141.1%(148.1%)を記録。同発電所向けは227.0%(241.2%)、産業向けは182.6%(210.7%)、再販事業者向けは159.5%(168.3%)に達した。
電力は93.3%(90.4%)で、再販事業者向けは164.9%(165.2%)、特別契約顧客向けは88.8%(83.2%)だった。
石油製品は52.9%(55.8%)で、灯油が125.5%(96.0%)、自動車燃料が42.6%(49.4%)となっている。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は15.5%(16.5%)だった。
中間財の上げ幅も22.3%(25.1%)と大きかった。中間財全体を最も強く押し上げたのは金属で33.6%(38.1%)を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は42.0%(51.8%)、非鉄金属は24.7%(24.8%)だった。金属以外では肥料・窒素化合物で104.4%(110.9%)、紙で51.2%(52.3%)、飼料で42.7%(48.7%)、穀物粉で48.4%(44.8%)を記録した。
投資財は7.4%(7.1%)上昇し、1975年9月以来の大きな上げ幅となった。構成比重の大きい機械が8.7%(8.3%)、自動車・自動車部品が5.3%(4.9%)高くなった。上昇率は金属骨組みで26.3%(26.1%)、タービンで22.4%(6.0%)と特に大きかった。
耐久消費財は上げ幅が前月の9.4%から10.5%に拡大した。家具は13.4%(11.9%)に上った。
非耐久消費財の上げ幅は前月と同じ14.7%だった。食料品は19.0%(19.2%)で、バターは74.8%(80.2%)、非加工の植物油は60.7%(68.4%)に上った。
生産者物価指数は前月比では0.6%増となり、上げ幅は3カ月連続で縮小した。各部門の上昇率はエネルギーが1.6%、耐久消費財が1.2%、非耐久消費財が0.7%、投資財が0.4%。中間財はマイナス0.6%となり、下落へと転じた。エネルギーを除いた物価上昇率は0.1%(1.2%)だった。
エネルギーの内訳をみると、ガソリンは前月比で9.3%低下した。自動車燃料税が6月から3カ月限定で引き下げられたことが反映されている。軽油は1.9%上昇したものの、同減税がなければ上げ幅はより大きかったとみられる。灯油は20.1%上昇。電力も4.0%高くなった。
天然ガスは0.2%ながら低下した。産業向けが2.2%、再販事業者向けが1.0%の幅で下がり、全体を押し下げた。