VWの4~6月期営業益28%減、生産は正常化の方向

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が7月28日発表した2022年4~6月期決算の営業利益(特別費計上前)は47億3,500万ユーロとなり、前年同期を27.7%下回った。半導体不足とサプライチェーンのひっ迫、コスト上昇が響いた。売上高は3.3%増の695億4,300万ユーロに拡大しており、売上高営業利益率は前年同期の9.7%から6.8%に低下した。税引き後利益は22.3%減の39億1,400万ユーロだった。

営業利益を部門別でみると、VWなどの大衆車とソフト開発のカリアドが足を強く引っ張った。カリアドでは赤字が5億200万ユーロから約2倍の9億7,800万ユーロへと膨らんでいる。アウディなどの高級車とスポーツ車のポルシェ、商用車のトレイトンは増益を確保した。

研究開発費は30.6%増の49億3,000万ユーロと大幅に拡大した。電気自動車(BEV)と車載ソフトに重点投資している。

販売台数は22.4%減の197万7,000台と大きく落ち込んだ。以前からの半導体不足に、ロシアのウクライナ進攻に伴うワイヤーハーネスの供給難が加わり生産が滞ったためだ。VWはこれに絡んで、ワイヤーハーネスの供給はすでに正常水準に回復したと指摘。半導体の供給状況も改善しているとして、下半期には生産が上向く可能性を示唆した。6月の販売台数は前年同月を6.3%下回ったものの、減少幅は従来の2ケタ台から縮小している。

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