英自動車生産、6月は5.6%増加

英自動車工業会(SMMT)は7月28日、同国の6月の乗用車生産が7万2,946台となり、前年同月に比べ5.6%増加したと発表した。5月から2カ月連続の増加となる。ただ、2019年6月(10万9,226台)と比べると33.2%少ない。1~6月の累計は前年同期比19.2%減の40万3,131台に落ち込んでおり、これは世界的な金融危機の影響があった2009年上半期(41万740台)も下回る水準となっている。

上半期の大幅な減少は、輸出の大幅な減少(前年同期比23.9%減)が背景にある。英国産乗用車の最大の輸出先である欧州連合(EU)向けが前年同期に比べ10.6%減少したほか、ホンダの英国工場が昨年7月末で閉鎖した影響で、米国向けの輸出が前年同期に比べ56.1%減少している。国内向けの生産は前年同期を4.3%上回った。

英国における1~6月の電気自動車(BEV)の生産は3万2,282台と、前年同期に比べ6.5%増加した。ハイブリッド車、ガソリン車、ディーゼル車の生産は、前年同期に比べいずれも減少している(19.9%減、8.0%減、60.2%減)。

■ 通期予想を下方修正

SMMTによると、2022年通期の英国の乗用車生産は86万6,000台にとどまると予想されている。これは2021年の生産台数を1%上回るものの、3月の予想を11万3,285台下回る。ロシアのウクライナ軍事侵攻、中国のロックダウン(都市封鎖)措置、深刻な部品不足の影響を反映している。

なお、2023年には95万6575台に回復し、サプライチェーン問題の改善を背景に、2025年には100万台を超えると予想されている(2024年:97万5,310台、2025年100万5,100台)。

■ 商用車生産、6月は64.4%増加

SMMTによると、同国の2022年6月の商用車生産は9,549台となり、前年同月に比べ64.4%増加した。これは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大(パンデミック)前の5年間の平均を32.7%上回る。輸出が前年同月比133.0%増と好調だった。6月の生産のうち、輸出は全体の58.1%を占めており、輸出の92.5%は欧州連合(EU)向けだった。国内向けも16.7%増加している。

商用車生産は年初から6カ月連続で増加しており、1~6月の累計は前年同期比47.4%増の5万596台となった。

■ エンジン生産、6月は7.2%減少

SMMTによると、同国の2022年6月のエンジン生産は、前年同月比7.2%減の13万8,209基。1~6月の累計は、前年同期比12.7%減の81万2,397基だった。

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