ルノーの1~6月期は2年ぶり最終赤字、ロシア撤退で22億ユーロの評価損

仏自動車大手ルノーが7月29日発表した2022年1~6月期決算は、最終損益が13億5,700万ユーロ(約1,840億円)の赤字だった。ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアからの撤退に伴う評価損22億ユーロを計上した影響で、1~6月期として2年ぶりに赤字(前年同期は3億5,400万ユーロの黒字)に転落した。売上高は前年同期比10%減の211億2,100万ユーロだった。

ルノーはウクライナ侵攻を受けてロシア事業からの撤退を決め、5月にロシア子会社の全株式をモスクワ市に、ルノーが保有するロシア自動車最大手アフトワズの株式約68%をロシア産業商務省所管の研究所に売却すると発表した。売却額はそれぞれ象徴的な1ルーブル(約2円)とされる。ルノーにとってロシアは本国フランスに次ぐ重要な市場で、世界販売の2割弱を担っていた。半導体不足も重なり、1~6月の販売台数は前年同期比30%減の約100万台にとどまった。

一方、営業利益率は4.7%と、前年同期の2.1%から改善した。ルノーはより収益性の高いモデルの販売に注力する戦略が奏功していると説明しており、通期の営業利益率見通しを従来の3%台から5%超に引き上げた。

ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は「ロシア事業からの撤退、深刻な半導体不足、原材料価格の高騰など多くの逆風にもかかわらず、グループ全体の業績は改善傾向にある」と強調。生産台数を絞って収益性を重視する再建計画は予定より早く進んでいるとして、「ルノーの非常事態は終結した」と宣言した。

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