独電機大手のシーメンスは7月25日、ウルトラキャパシタを開発・製造するエストニアのスケルトン・テクノロジーズ(以下、スケルトン)と新工場の建設で協力すると発表した。独東部ライプチヒ近郊のマルクアンシュテットに次世代ウルトラキャパシタのセル工場を建設する。新工場は、2024年に生産を開始する予定。240人の雇用創出を見込んでいる。
シーメンスの自動化技術やデジタル化に関するノウハウを生かし、ウルトラキャパシタのセル設計から生産、サービスまでバリューチェーン(価値連鎖)全体をデジタル化して、次世代ウルトラキャパシタの生産を大幅に拡大する計画。5年間のプロジェクトが完了すると生産コストを約90%削減することができる。
新工場のセル生産能力は年1,200万個となる予定。建設プロジェクトは2段階で構成されており、第2フェーズは2025年に完成する予定。新工場の生産能力はドイツのグロースレールスドルフにあるスケルトンの既存工場の40倍になる。
ウルトラキャパシタは蓄電デバイスとして、自動車、交通、電力、産業用途などに活用されている。スケルトンは、特許を取得済みの「湾曲グラフェン技術」を用いた導電性カーボングラフェンにより、ウルトラキャパシタの短時間での充電やブレーキエネルギーの蓄電などを可能にしている。