バイオ医薬品大手の独ビオンテックは8日の決算記者会見で、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチン2種類の供給を10月に開始する見通しを明らかにした。1つは亜系統「BA.1」、もう1つは同「BA.4/5」のスパイクたんぱく質を含んでいる。両製品は野生株にも有効な二価ワクチン。当局の承認を経て接種が始まる。
同社は米製薬大手ファイザーと新型コロナワクチンの開発で手を組んでいる。野生株をもとに開発した現行ワクチンはオミクロン株の感染防止効果が弱いことから、新製品を開発。すでに欧州医薬品庁(EMA)や米食品医薬品局(FDA)への認可申請を済ませた。
ビオンテックの2022年4-6月期の売上高は31億9,650万ユーロとなり、前年同期を39.8%下回った。新型コロナワクチンの需要が大幅に減ったことが響いた格好で、営業利益(47.4%減の22億960万ユーロ)と純利益(40.0%減の16億7,200万ユーロ)も振るわなかった。
22年12月期に新型コロナワクチンで130億~170億ユーロを売り上げるとした従来予測は据え置いた。オミクロン株対応ワクチンの販売が今後始まることから、売り上げが改善するとみている。