●10基の総設備容量は200MW、投資額は10億ドル以上
●同特区内の事業者にエネルギーを供給、安全保障強化にも寄与
米国の小型モジュール炉(SMR)メーカー、ラストエナジーはこのほど、ポーランドのレグニツァ特別経済地区(LSEZ)及び同国のヴロツワフに拠点を置くDBエナジーとの間でSMRの建設に関する基本合意に達したことを明らかにした。導入されるSMRの数は10基、総設備容量は200メガワット(MW)で、投資額は10億ドル以上。同社は設計、建設、資金支援、サービス、廃炉などすべてのプロセスで協力し、DBエナジーは送配電施設を担当する。合意にはLSEZの進出企業による24年間にわたる電力購入契約も含まれる。
南西部のドルノスラスキ県に位置するLSEZには現在75社が入居しており、1万6,000人の雇用を創出している。LSEZのボジェク最高経営責任者(CEE)は、SMRの導入は進出企業や工場へのクリーンエネルギーの供給と共に、エネルギー安全保障の強化にもつながると話した。
ラストエナジーのSMRは加圧水型で、発電出力20メガワット電気(MWe)、熱出力60メガワットサーマル(MWt)。モジュール方式の採用により他所で組み立て後に搬入できるため、投資決定から24カ月以内に導入可能なのが特長だ。原子炉の寿命は42年間とされている。
同社はクリーンエネルギーに関する研究機関「エネルギー影響センター」のスピンオフ企業。ポーランドでは国営エネルギー企業エネアSAとの間でもSMRの供給で基本合意している。今後両社はSMRの開発、建設及び販売で協力していく他、合弁設立も検討する。