ポーランド石油最大手オルレン、同業ロトスとの合併完了

●第3者のサウジアラムコが買収に関与する形で欧州委が認可

●オルレンは多角的エネルギー企業としての基盤を強固に

ポーランド石油最大手PKNオルレンは3日、同業2位の国営グルパ・ロトスとの合併が8月1日付で完了したと発表した。当初、6月末までの手続き完了を見込んでいた。オルレンはまた、7月29日に国営ガス・石油大手のPGNiGと合併合意を交わしており、同国のエネルギー変革をけん引する多角的エネルギー企業としての基盤を固めた。

ポーランドの化石燃料依存からの脱却に貢献するため、オルレングループは風力発電、太陽光発電、代替燃料、小型モジュール式原子炉(SMR)などのグリーンエネルギーに注力する戦略だ。同分野を中心に昨年は設備投資(CAPEX)が過去最高の99億ズロチに達し、今年さらに152億ズロチ(32億2,000万ユーロ)に引き上げている。

PKNオルレンのロトス買収計画は2018年に遡る。欧州委員会が国内や中東欧市場での寡占を懸念し難航したが、第3者が関与する買収に計画を改め、21年7月に条件付きで認可が下りた。ロトスの精製・卸売り・航空燃料事業ではサウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコがロトス・アスファルトの株式30%を、小売り事業ではハンガリーの石油ガス最大手MOLグループがポーランドのガソリンスタンド網を取得した。物流事業は地元ウニモト(Unimot)グループ、バイオ燃料事業はハンガリーのロッシ・バイオフュエルが買収した。(1PLN=28.89JPY)

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