ノルウェー中銀が6月に続き0.5%利上げ、9月に追加利上げも

ノルウェー中央銀行は18日、政策金利を1.25%から1.75%に引き上げると発表した。食料品などの値上がりでインフレが加速していることから、前回の6月に続いて0.5ポイントの利上げを決めた。今後も想定を上回るペースでインフレが進む恐れがあるとの見方を示し、「9月に政策金利をさらに引き上げる可能性が高い」と表明した。

ノルウェー中銀は2021年9月、先進国の先陣を切って利上げを決定し、ゼロ%から0.25%に引き上げた。その後、22年3月まで2回にわたって0.25ポイントの利上げを実施。6月には利上げ幅を0.5ポイントに拡大し、およそ20年ぶりの大幅利上げに踏み切った。今回の利上げにより、政策金利は12年3月以来の高水準となる。

変動の大きいエネルギーや生鮮食品を除いた7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.5%の上昇と、6月の3.6%から加速した。バーチェ総裁は声明で「ノルウェー経済にかかる圧力を弱め、インフレ率を目標(2%)まで押し下げるには大幅な利上げが必要だ」と強調した。同氏は6月時点で、8月に政策金利を0.25ポイント引き上げて1.5%とし、その後も段階的に利上げを実施して、23年半ばには3.0%まで上昇するとの見通しを示していた。

中銀は声明で、物価上昇はここ数カ月で広範囲に及んでおり、「インフレ率が以前の予想より長く高止まりする恐れがある」と指摘した。一方、「金利上昇と高インフレは住宅市場を冷え込ませ、家計消費が想定より早く抑制される可能性がある」と分析。さらに「世界的な成長鈍化がより鮮明になるリスクもある」と指摘し、経済見通しを取り巻く不確実性やインフレ加速のリスクを踏まえ、金融引き締めを継続する必要があると説明した。

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