欧州委員会はこのほど、ルーマニアのグリーン水素の生産事業に対し1億4,900万ユーロを助成することを承認した。ウェブ紙『ルーマニア・インサイダー』によると、助成は欧EUの復興レジリエンス・ファシリティー(RRF)の枠内で実施され、水素や電力を生産する企業、エネルギーに関する国立研究機関などに対しプロジェクトごとに最大5,000万ユーロが支給される予定。
対象となる団体は入札で選定されるが、水素生産に利用する電解槽の設備容量のメガワット(MW)あたりの助成額が最も少ない団体が優先される。応札の募集は6月にすでに開始されている。
欧州委によると、RRFのスキームは再可エネ由来の水素の生産施設の新規導入を支援するもので、2025年末までに実施される事業が対象。電解槽の設備容量は最低100MWで、年間1万トン以上の水素の生産能力を持つ施設が対象となる。
欧州では2019年に発表された欧州委の一連の環境関連政策「欧州グリーン・ディール」、および20年に採択された「水素戦略」を通して水素技術の開発や導入を進めている他、ロシア産化石燃料への依存度低減などを促すための助成スキーム「リパワーEU(REPowerEU)」が発表されている。