●同社は多遺伝子リスクスコアを用いて癌の遺伝性素因を検出
●検査結果をもとに、癌患者への個別医療の提供をサポート
エストニアのヘルステック企業アンテゲネス(Antegenes)はこのほど、シードラウンドで230万ユーロの調達に成功した。癌の予防に個別医療を提供する同社は今回、複数の投資家から160万ユーロ、残りを政府機関のエンタープライズ・エストニアなどから獲得した。調達した資金は新市場の開拓に振り向ける。
アンテゲネスはこれまでエストニアと英国で事業を行ってきたが、今回新たにスウェーデン、ノルウェー、ポルトガル、スペイン市場への参入を果たした。今後ドイツに進出する予定だ。
2018年設立の同社は多遺伝子リスクスコア(PRS)を利用して癌の遺伝性素因の検出を確実に行い、病気の診断を支援している。同社の遺伝子検査は個人が癌に罹患するリスクを計測したり、がん予防を目的とした個別の臨床上のアドバイス提供に役立っている。サービスの対象とする癌には乳がん、前立腺がん、小腸がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などがある。
今回のラウンドに応じた投資家にはパイプドライブ創業者のティモ・レイン氏やパイプドライブに投資したペープ・バイン氏、起業家のアーレ・クリスト氏やアンドレアス・ヘン・オツマー氏らが含まれる。また、エンタープライズ・エストニアのほか欧州連合(EU)の研究開発促進機関である欧州イノベーション・技術研究所(EIT)が資金を提供している。