●ロシア産外国ブランドの供給難が好機に
●江淮汽車、力帆、奇瑞汽車、長城汽車がすでに市場参入
カザフスタンで中国の自動車メーカーが市場シェアを拡大している。カザフスタン自動車事業協会(AKAB)によると、中国ブランドの昨年の新車販売台数は前年の2倍の4,000台に伸び、市場シェア3.4%を獲得した。中国4社の今年1-7月累計販売台数はすでに昨年合計台数に達した。販売が好調な理由は値ごろな価格、品質や安全性へのイメージ向上措置の効果に加え、従来人気があるロシア産の日欧ブランドの生産が、ウクライナ軍事侵攻による対ロシア経済制裁を受け部品調達難などで滞っていることも影響している。
カザフスタン進出の先陣を切ったのは江淮汽車(JAC)と力帆(Lifan)で、昨年は奇瑞汽車(チェリー)と長城汽車(Havalブランド)が市場参入した。長安汽車は先ごろ、現地自動車販売会社のアスタナ・モータースと販売代理契約を結び、早ければ9月初めにも輸入開始する計画だ。チェリーは魅力的な融資プランのおかげで今年7月までに販売ランキングで上位10位内に躍進した。JACは国内北部のコスタナイに組み立て工場を構える。
製品や部品の納品期間が短い中国メーカーは欧日メーカーが供給難に陥っていることで有利になっているもようだ。現地自動車専門誌『Za Rulem』は、ウクライナ戦争による部品調達難が長引けば、中国メーカーの市場シェアは拡大すると見る。チェリーの販売代理店であるファーストモーターグループも、中国ブランドの品質とオプション装備が評価されるようになり、「5年以内に国内市場を主導する」と予想する。