鉄鋼大手アルセロールミタル、エネ高騰で独2施設の操業停止

鉄鋼世界2位のアルセロールミタルは2日、ドイツの生産施設の操業を一部、停止すると発表した。世界需要の低迷とエネルギーコストの高騰を受けた措置。独法人のライナー・ブラシュク最高経営責任者(CEO)は「数カ月で10倍に上昇した天然ガス・電力価格では市場で競争力を保つことはもはやできない」と述べ、エネルギー価格を引き下げる措置を早急に取るよう政策当事者に促した。

ブレーメン工場の高炉2基のうち1基と、ハンブルク工場の直接還元施設で10月1日から生産を見合わせる。ドイツでは天然ガス輸入会社が調達先をロシア以外に切り替えたことで発生したコストの90%を川下に迅速転嫁するルールが同日から適用されることから、これを踏まえて操業停止日を決めたとみられる。

同社はすでにブレーメン、ハンブルク、デュースブルク、アイゼンヒュッテンシュタットの4工場で操短を実施している。ブレーメンとハンブルクでは10月1日から操短規模が拡大されることになる。

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