10月1日のガス備蓄義務水準を前倒しでクリア

ドイツ国内の天然ガス備蓄率が2日時点で85.02%に達し、10月1日の義務水準(85%)を約1カ月前倒しで達成したことが、連邦ネットワーク庁の4日付ガス供給日報で分かった。ロシアはガス管「ノルドストリーム1」を通した欧州向けの供給を停止しているが、備蓄率は一貫して上昇。6日付日報によると、4日には86.10%まで拡大した。

ドイツではロシアのウクライナ進攻後、ガス備蓄制度が導入された。毎年9月1日時点で容量の75%、10月1日時点で85%、11月1日時点で95%の確保を貯蔵事業者に義務付けている。

ロシア産天然ガスの供給が削減・停止されているにもかかわらず備蓄が増えているのは、◇ロシア以外からの調達を増やしている◇製造業がガス消費を抑制している◇夏季でガス暖房が使われていない――ためだ。

秋以降は暖房の使用が本格化することから、備蓄率はいずれ低下へと転じる見通し。備蓄の減り方は◇暖冬になるのか厳冬になるのか◇各世帯が暖房の使用をどの程度、抑制するのか――で大きく異なってくる。

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