独労働市場に戦争の悪影響なし

ドイツ連邦雇用庁(BA)が8月31日発表した同月の失業者数は254万7,000人となり、前月を7万7,000人上回った。ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナからの難民の多くが求職活動を開始し失業者として登録されたことが背景にある。季節要因を加味したベースでも失業者は2万8,000人増えた。雇用情勢自体は安定を保っており、アンドレアス・ナーレス新長官(元労相)は「経済・政治的な不安定性にもかかわらず労働市場は底堅い」と述べ、ウクライナ戦争は現時点で悪影響をもたらしていないとの認識を示した。

8月の失業率は5.6%で、前月から0.2ポイント上昇した。前年同月と同水準にある。

雇用の拡大は続いており、社会保険への加入義務のある就労者は6月時点で3,444万人となり、前年同月を63万9,000人上回った。増加幅は企業向けサービス(9万8,800人)、飲食・宿泊(8万900人)、情報・通信(7万3,600人)、自動車販売・メンテナンス・修理(6万5,800人)などで大きい。銀行・金融・保険では4,200人減少した。

国際労働機関(ILO)基準の7月の失業率は3.2%となり、前月を0.2ポイント上回った。

8月の求人件数は88万7,000件で、前年同月を10万8,000件上回った。季節要因を加味した前月比では1,000件減少している。求人指数BA-X(2015年=100)は前月を1ポイント上回る135へと上昇した。

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