●同インクは一般的な3Dプリンターで使用可能
●3Dプリント後に乾燥すると指定した形状に変わる特徴を持つ
イスラエル国立ヘブライ大学の研究チームがこのほど、独自に開発した木材由来の3D印刷用インクを使用したらせん形状の試作品を公開した。同チームは3、4年使用した後に製品を粉砕し、3D印刷材料として再利用できる持続可能な有機原料のインクの開発を目指している。同インクは一般的な3Dプリンターで使用できる。
木材由来3D印刷インクはペースト状で、3Dプリント後に乾燥すると指定した形状に変わる。同大で博士課程履修中のプロジェクトメンバー、カム氏によると、原料を挽いて作った木粉に接着剤の働きをする2種類の有機材料をペースト状に混ぜ、3Dプリンターでこれを平たい状態に印刷する。木材は乾燥すると通常、細胞の構造に応じて変形の仕方が異なるが、研究チームはこれをコントロールする技術を開発し、乾燥後に設計どおりの形状を作ることに成功した。
現在は同技術の開発段階のため、小さな試作品の製作にとどまる。ただ、3D木製品の強度と耐久力は通常の木材製品と変わらないと考えられることから、大きな作品の製作も可能だとみている。