ウクライナ企業対象の新ベンチャー基金がスタート

●戦争により資金調達の機会が不足していることに対応

●「チャリティではなく」将来性のある企業を支援する目的

欧米のベンチャー投資(VC)企業が共同で設立したVCであるffVCが今月、ウクライナ企業に焦点を当てた新ファンドを設定したと発表した。戦争により資金調達の機会が不足していることに対応し、「チャリティではなく」将来性のある企業を支援する目的と説明している。設定に当たっては、ウクライナのデジタルトランスフォーメーション省の協力で、現地の起業・VC情勢に詳しいデニス・フーラク氏をパートナーに迎えた。

新ファンドの名称は「ffブルー・アンド・イエロー・ヘリテージファンド」で、◇ウクライナ人が創業した企業◇ウクライナから移転した企業◇ウクライナからの避難民を雇用するスタートアップ――に投資する。アーリー期(シリーズBラウンド以前)までを対象とする。

ffVCは、ロシアによる侵攻以降、ウクライナ地域における投資が激減したことを認めたうえで、「リスクのあるところにはチャンスもある」、「既存企業の支援だけでなく、将来の国際企業を育てていきたい」と抱負を明らかにした。

ウクライナ・デジタルトランスフォーメーション省のミハイロ・フェドロフ大臣は、「IT産業はロシアの攻撃下にあっても政府の財源を生み出している数少ない産業の一つで、テクノロジー企業が我が国の将来の復興を支えていく」と話し、ffVCの新ファンドがテクノロジー業界の大きな助けになると期待を示した。

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